▲▲県の三沢山からのみ算出される神取石。特徴は硬さと優美な光沢、キメ細かさにあります。硬度は7度と水晶なみで、ボロボロ崩れることがなく、細かな細工が可能です。磨くほど光沢が増し、光沢度はガラスと同等の98度。表面に顔が映りこむほどです。薬剤で人工的に光沢を出す石もありますが、神取石にその必要はありません。加えてかすりの着物のような風合いのキメ細かさ。水にも強く400年は彫られた字が崩れたり、艶がなくなったりしません。風雪に耐え、価値を保ち続ける強さから、神取石は「花崗岩のダイヤモンド」と称されるのです。

山に入り、神取石を切り出し、色目を揃え、大きさを整え、徹底的に磨き、一般の人々に墓石として販売する。当社はそれを100年以上、続けてきました。全ての神取石が墓石になるわけではありません。キズがある、色目が良くない、大きさが不十分などの石は、建材に使えても、人々が何十年も手を合わせる対象にはなりません。地域全体の神取石産出量は年30万トンに及びますが、墓石となれるのは1%程度。マグロで言うと、大トロだけ。自然の造形の最も調和した部分だけが、人々の敬いを集める資格を持つのです。

私たちは石屋として、人々が石に込める思いに対し、誠実でありたいと感じます。今の時代、先祖を敬うことに意味があるのか、過去を振り返って何になる、とうそぶく人もいます。そうではないのです。石に向かい手を合わす人々は、自分自身の心の有り様を確かめているのです。過去ではなく、今と未来を見つめ直す起点とするため、石を拝むのです。(後略)