笑顔を絶やさない平林さんの目が、徐々に潤んできた。ブライダルプロデューサーとしての仕事で、印象深いものについて語っていた時だ。
「最初『式なんてイヤだ』とおっしゃってた新郎さんだったんです。大げさだ、と。でも終わった後、最後の挨拶をする時に、新郎さんがポロポロ涙を流されて。私を始め、スタッフ一人ひとりの名を呼び『楽しかった。感動した。ありがとうございます』と頭を下げられた時は、こちらも、ね」

ブライダルサービスに関わって6年。苦労は少なくない。重いドレスの上げ下げに体力を使う。新婦のコサージュやグッズを自作したり、招待状に一工夫加えたり。カップルの希望を叶えようと思うほど、やることは増える。
プロデューサーとしてのデビューはレストランウェディング。場所の制約があるので、余計に大変だった。
「アーチがどうしても欲しかったので、木組みの本棚を持参してデコレートし、代わりにしたんです。予想以上に好評でした」
苦労が増える…とわかっている。でもカップルの声を聞くと、「こうしましょう」とアドバイスしてしまう。

「当社のプロデューサーは、一人で月5~6組のカップルを担当します。他と比べ少ない数です。その分、一組のカップルとの打ち合わせ回数は増え、思い入れも深くなります。最初に訪問されてから式まで、約1年。いろんなことを話すから、ぜひこのカップルの夢を実現させてあげたいと思うようになるんです」(後略)